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映画『燃えよ剣』原作のあらすじとキャスト【ネタバレ注意】

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2021年10月に公開の映画『燃えよ剣』。

司馬遼太郎原作のこの映画は、同じく司馬遼太郎原作映画の前作『関ケ原』に続いて原田眞人監督がメガホンを取ります。

主演は前作『関ケ原』で主人公・石田三成を演じた岡田准一さん、その脇を豪華な俳優陣が固めます。

今回はそんな映画『燃えよ剣』の主要登場人物や原作をもとにしたネタバレありのあらすじを紹介していきます。

Contents

映画『燃えよ剣』の原作は司馬遼太郎の小説です!

燃えよ剣 (文春e-book)

映画『燃えよ剣』は日本を代表する歴史小説家・司馬遼太郎氏の代表作の一つで、組織作りの異才をもって新選組を幕末最強の武装集団に作り上げた“鬼の副長”土方歳三の生涯を描きます。

数ある司馬小説の中でも、色々なランキングで常に上位にランクされる『燃えよ剣』。

剣に己の命を懸けた男の血沸き肉躍る物語であり、問答無用の傑作です。

映画『燃えよ剣』の主要登場人物とキャスト

映画『燃えよ剣』のキャスト①:
【鬼の副長】「土方歳三」役は岡田准一さん(画像右)

歴史に無類の爪痕を残した「喧嘩師」土方歳三。天性とも言える組織作りの才を生かし、盟友・近藤勇と共に新選組を幕末最強の武装集団へと作り上げていきます。新選組を強化する事だけを追い求め、その為であれば冷酷になる事も厭わない人呼んで「鬼の副長」。その土方歳三を岡田准一さんが演じます。

岡田准一さんはジャニーズ事務所所属の男性グループ・V6の最年少メンバーであり、俳優としても知られています。主演映画は「木更津キャッツアイ」「永遠の0」「関ケ原」など多岐に及び、2014年には日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞・最優秀助演男優賞の2冠にも輝いた、今や日本を代表する名優と言っても過言ではありません。

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映画『燃えよ剣』のキャスト②:
【幕末最強の天才剣士】「沖田総司」役は山田涼介さん(画像左)

幕末最強の剣士とも謡われた新選組一番隊組長・沖田総司。天才としか言いようのない剣の腕を持ちながら、結核を患ってしまい若くして夭折してしまう悲劇の天才剣士でもあります。

その沖田総司を演じるのはHey!Say!JUMPのメンバーである山田涼介さん。映画「暗殺教室」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、2016年にはテレビドラマ「カインとアベル」でフジテレビ月9初主演をされている、新進気鋭の若手俳優さんです。

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映画『燃えよ剣』のキャスト③:
【豪胆無比の暴れん坊】「芹沢鴨」役は伊藤英明さん

新選組初代筆頭局長であり、豪胆無比と言われた芹沢鴨。神道無念流の剣の達人であり、創成期の新選組を引っ張りますが、酒に酔っての悪行も数多く、最後は近藤・土方らに粛清されてしまいます。

演じるのは実力派俳優・伊藤英明さん。映画「陰陽師」シリーズや「海猿」シリーズで人気を博し、実力派の位置を不動のものとした伊藤さんが暴れん坊・芹沢鴨をどう演じるのか、非常に楽しみです。




映画『燃えよ剣』のキャスト④:
【新選組局長】「近藤勇」役は鈴木亮平さん

新選組局長として、一時は二百名を超える隊士を率いたのが近藤勇です。近藤勇は武州多摩の土着剣法・天然理心流四代目宗家としても知られており、池田屋事件で勇名を馳せ、新選組が一躍「最強の剣客集団」と天下に知られるきっかけを作ります。

演じるのは鈴木亮平さん。NHK大河ドラマ「西郷どん」で主人公・西郷隆盛を演じ、テレビドラマ「テセウスの船」でも高い演技力を評価された鈴木亮平さん。その鍛え抜かれた肉体美も評判の鈴木さん演じる近藤勇がどのように描かれるのか、興味は尽きません。

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映画『燃えよ剣』のキャスト⑤:
【西南戦争まで戦い抜いた仕事師】「斎藤一」役は松下洸平さん

新選組三番隊組長、その剣の腕は剣客揃いの新選組の中でも「無敵の剣」とまで評された斎藤一。近藤・土方の命令を冷静かつ忠実に実行する仕事師として活躍します。戊辰戦争を生き抜き、維新後は警視庁抜刀隊として西南戦争まで戦い抜いた事でも有名です。

仕事師・斎藤一を演じるのは松下洸平さん。2019年NHK連続テレビ小説「スカーレット」に出演して注目を集めた新進気鋭の俳優さんです。今回原田監督に抜擢されて時代劇映画に初挑戦する松下さんの演技に注目です。

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映画『燃えよ剣』のキャスト⑥:
【土方歳三の恋人】「お雪」役は柴咲コウさん

原作『燃えよ剣』に土方歳三の恋人役として登場する「お雪」は史実の人物ではありません。江戸生まれで訳あって京都に暮らし土方と出会い、最後は函館まで土方を追いかけます。

演じるのは柴咲コウさん。数々の映画に出演され、2017年には大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主演も務めた柴咲さんは押しも押されもせぬトップ女優の一人です。柴咲さんの凛とした美しさがどうお雪を演じ、画面に華を添えてくれるのでしょうか。




映画『燃えよ剣』のキャスト⑦:
【人斬りの異名を持つ武士】「岡田以蔵」役は村上虹郎さん

土佐藩出身の岡田以蔵は尊王攘夷派の武士として敵対する人間を次々と暗殺、その腕の冴えから「人斬り以蔵」とあだ名されます。原作小説には登場しない岡田以蔵が映画ではどのように新選組と絡むのでしょうか。

演じるのは若干23歳の村上虹郎さん。俳優・村上淳さんを父に持ち、ドラマ・CM・映画などに活躍の場を広げています。この岡田以蔵役が若き俳優・村上虹郎さんに取っての出世役となりますかどうか

映画『燃えよ剣』のキャスト⑧:
【王城の護衛者】「松平容保」役は尾上右近さん

松平容保新選組の主君筋にあたる会津藩代九代目藩主にして、実質上の最後の藩主でもあります。京都守護職として活躍しますが、戊辰戦争で一転朝敵扱いされる悲劇の名君です。

悲劇の名君・松平容保を演じるのは歌舞伎界の新鋭・尾上右近さん。踊りに定評があり、女形を中心に立ち役も勤めます。歌舞伎役者ならでは所作の美しさが、気品ある松平容保にぴったりな配役でしょう。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑨:
【最後の将軍】「徳川慶喜」役は山田裕貴さん

徳川幕府第十五代将軍・徳川慶喜。大政奉還を実行して将軍職を棄て、約三百年続いた徳川幕府を終わらせた「最後の将軍」です。

演じる山田裕貴さんは2017年に「おんな城主 直虎」で大河初出演を果たすと、その年に14本の映画に出演するなど一気に飛躍します。その役柄と印象のふり幅から「カメレオン俳優」と称される山田さんが慶喜の苦悩をどう演じるか、楽しみです。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑩:
【近藤・土方の兄弟子】「井上源三郎」役はたかお鷹さん

新選組六番隊組長の井上源三郎は近藤・土方・沖田と同じ天然理心流の「兄弟」であり、近藤・土方にとっては兄弟子にあたります。実直な性格で温かい人柄を愛され隊を支えますが、淀千両松の戦いで銃弾に倒れ、生涯を閉じます。

演じるたかお鷹さん舞台・映画・ドラマ等で幅広く活躍されている名バイプレーヤーです。前作「関ケ原」にも出演されているたかおさん、「実直」と評された井上源三郎を見事に演じ切ってくれる事でしょう。

 映画『燃えよ剣』のキャスト⑪:
【攘夷を望んだ第百二十一代天皇】「孝明帝」役は坂東巳之助さん

京都守護職・松平容保に厚い信頼を寄せる第百二十一代天皇・孝明天皇。自らは攘夷を望んでいましたが、その姿勢が次第に尊王攘夷派に利用され、制御が出来なくっていきます。

演じるのは二代目・坂東巳之助さん歌舞伎役者・俳優として活躍される他、日本舞踊・坂東派の家元でもあります。本名でZERO clickというアマチュアバンドを結成され、ドラムスを担当するという多彩な一面も併せ持っています。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑫:
【親切者と言われた器量人】「山南敬助」役は安井順平さん

「親切者は山南・松原」と言われた文武両道の器量人、山南敬助。隊の方向性で土方歳三と対立し、最後は捕縛覚悟の脱退を決行、追手として差し向けられた沖田総司に自ら声を掛けるという涼やかな振る舞いを残して切腹して果てます。

俳優・お笑い芸人として二足の草鞋を履く安井順平さんが演じます。数々の俳優が演じてきた山南敬助の切腹シーンを安井さんがどう演じていくのか、楽しみです。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑬:
【我武者羅と言われた男】「永倉新八」役は谷田歩さん

新選組二番隊組長として隊の中核を為した永倉新八、我武者羅な性格から「がむしん(我武者羅な新八の略)」と噂されました。池田屋事件では近藤・沖田と共に活躍、その後も新選組の数々の戦いで活躍しますが、最後は近藤・土方と袂を分かちます。

数々の大河ドラマに出演した谷田歩さんが永倉新八を演じます。長身で精悍な顔つきの谷田さん演じる神道無念流の達人・永倉新八。新八の持つ「剣客の匂い」、谷田さんなら余すところなく演じてくれる事でしょう。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑭:
【油小路に散った魁先生】「藤堂平助」役は金田哲さん

常に先陣を切る勇敢さから「魁先生」と異名を取った新選組八番隊長・藤堂平助。参謀・伊東甲子太郎に共鳴、新選組を離脱後油小路の戦いで奮戦後命を落とします。平助が死んだ後、近藤も「平助だけは惜しかった」とその死を嘆いたと伝わります。

一本気な若武者・藤堂平助を演じるのはお笑い芸人・はんにゃのボケ担当である金田哲さんです。はんにゃのイメージが強い金田さんですが、実は俳優としても活躍されています。今回、どのような藤堂平助を演じるのか注目です。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑮:
【池田屋事件の陰の立役者】「山崎烝」役は村本大輔さん

大阪出身の新選組隊士・山崎烝、新選組では副長土方直属の「監察」として活躍します。池田屋事件の際、乞食に変装して探索を続け、尊王攘夷派の大物・古高俊太郎の所在を突き止めたとされています。

池田屋事件の陰の立役者と言ってもいい山崎烝を演じるのはお笑い芸人・ウーマンラッシュアワーのボケ担当、村本大輔さんです。どこか「怪優」の雰囲気がある村本さんが新選組の「探偵」をどう演じていくのか、これは面白そうです。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑯:
【“奇妙なり八郎”と言われた幕末きっての怪男児】「清河八郎」役は髙嶋政宏さん

出羽庄内藩出身の清河八郎。各地を遊説して廻り、尊王攘夷派の志士を京都に呼び寄せた、いわば「維新の火付け役」です。幕府を騙して浪士組を組織させて京に上り、これが新選組誕生のきっかけになります。

演じるのは芸能界きっての華麗なる一族・高嶋家の長男・高嶋政宏さんもはや説明不要の名俳優・高嶋政宏さんであれば、策士・清河八郎を見事に演じ切ってくれる事でしょう。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑰:
【土方に愛刀を売った商人】「丸十店主」役は柄本明さん

土方歳三が生涯の愛刀とした二代目和泉守兼定、通称ノサダ。土方歳三の才能を一瞬で見抜き、「見込んだのさ」とぞんざいに言い放ってノサダをわずか五両という破格の安さで売り渡したのが丸十店主でした。

原作ではほんのわずかしか登場せず、「丸十」という店名も出ず「浅草の古道具屋」としか出てこないこの商人を柄本明さんが演じます。どれくらいの出演時間があるか判りませんが、柄本明さんなら例え数分でも印象深い演技をしてくれる事間違いなしでしょう。

映画『燃えよ剣』のキャスト⑱:
【映画オリジナルキャラクター】「本田覚庵」役は市村正親さん

原作には登場しませんが、映画オリジナルキャラクター・多摩の医者として登場するのが本田覚庵です。土方に時勢を説き、激動の世の中で剣に生きるよう導いていく役割との事です。

原作に登場しない人物という事で、演じるのも難しい役柄かと思いますが、そこは数々の人物を演じてきた市村正親さん、この難しい役柄も何という事もなく演じ切ってしまう事でしょう。




映画『燃えよ剣』原作のあらすじ【ネタバレ注意】

映画『燃えよ剣』原作のあらすじ①:多摩のバラガキ

後に新選組局長となる近藤勇、副長となる土方歳三の盟友二人は二人とも武州多摩の生まれです。近藤が上石原、土方が石田村の出身、どちらも甲州街道沿いの夏ともなれば草むらという草むらが蝮臭くなる農村で、その距離は三里と離れていません。

近藤は新選組局長となった後も副長・土方歳三と二人っきりの時は「トシよ」と呼び、生まれ故郷の多摩の地言葉で「あの野郎をどうすべえ」と話したと言います。

「トシ」と呼ばれる男こそ、この物語の主人公・土方歳三です。

トシは生まれ故郷の多摩で「バラガキ(今で言う不良少年)」と呼ばれ、「いつかは武士になる」という夢を持ち、家業の薬の行商をしながら近藤が道場主を務める天然理心流の道場に通い、剣の修行に励んでました。

映画『燃えよ剣』原作のあらすじ②:京へ、そして誕生

天然理心流・試衛館道場の食客の1人である山南敬助が持ってきた「将軍護衛の浪士隊」の話に乗り、道場を閉めて京都へと旅立った近藤以下試衛館の面々

京に着くやいなや手の平を返し本性を露わにした清河八郎に毅然と逆らい、芹沢鴨率いる水戸一派と共に京に残る事を宣言します。

京都守護職松平容保に渡りをつけ、遂に「新選組」を誕生させた近藤・土方、次は隊の主導権を握るべく芹沢一派を片付けます

鉄の組織として成長していく新選組は、その後池田屋事件・蛤御門の変と続く乱で勇名を馳せ、「幕末最強の武装集団」へと成長していくのです。




映画『燃えよ剣』原作のあらすじ③:大暗転、再び江戸へ、そして北へ

第十五代徳川幕府将軍・徳川慶喜の突如の将軍職返上によって為された大政奉還。新選組に取っても「白昼の大暗転」と言っていい出来事でした。

時代は薩摩・長州ら西国諸藩が主導する「新政府の時代」へと移っていきます。

新選組もこの時代の渦に呑まれていきます。鳥羽伏見の戦いで一敗地に塗れた旧幕府軍と新選組は江戸に帰って再起を期しますが、新選組は甲州勝沼でも惨敗し、事実上壊滅します。

盟友・近藤勇は流山で捕らえられ斬首、新選組最強の剣士だった沖田総司は病死。

1人残された土方歳三は宇都宮・会津と流れ、生来の「喧嘩師」としての才能が開花、生き生きと転戦を続けます。

映画『燃えよ剣』原作のあらすじ④:新選組副長土方歳三

遂に函館に追い詰められた旧幕府軍。
土方歳三は函館旧幕府軍の「陸軍奉行並(陸軍大臣格)」として活躍し、旧幕府軍では殆ど唯一と言っていい「常勝将軍」となります。

兵も土方歳三の下では嬉々として働き、「土方さんが居る限りは負けない」と言う不敗神話まで出て来ます。

が、やはり多勢に無勢。
旧幕府軍は徐々に追い詰められ、閣僚達は降参も視野に入れ出します。

陸軍奉行並としての意見を求められた土方歳三は一言「私は出戦しますよ」と呟きます
その心は(降参したい奴は降参しろ。俺は長い喧嘩相手だった薩長に降れるか)というものでした。

敵陣を馬上1人行く歳三に、敵軍の士官が「名は何と申される」と尋ねます。

「函館政府の陸軍奉行」とはどういう訳か名乗りたくなかった歳三は、やはり慣れ親しんだ肩書を、この世に残す言葉として名乗ります。

「新選組副長土方歳三」

武州多摩が生んだ生粋の喧嘩師、土方歳三はこうしてその生涯を閉じるのでした。




おわりに:映画『燃えよ剣』原作のあらすじとキャストをご紹介しました!

映画「燃えよ剣」のご紹介、如何でしたでしょうか?

長編小説をわずか2時間の尺に収めるのは大変な事なので、出来上がる映画はやはりところどころ省略されてしまう事になるかと思います。

映画を観てから原作小説を読むか、はたまた原作小説を読んでから映画を楽しむか。

どちらにしろ、10月の公開が待ち遠しいですね!